【特集】
生き物を形作るしくみ―エピジェネティクス―
生物の体の形成は、遺伝子のみで決まるのではなく、生まれ
た後のさまざまな要因によって遺伝子の発現が変化していく
ことでなされる。ヒトの体を構成している60兆個の細胞は、
基本的に同じ遺伝子情報を持つが、それらがさまざまな組織
臓器へ発生・分化していくのは、その過程に、遺伝子をコー
ドするアミノ酸配列の変化を伴わない情報記憶と発現のメカ
ニズムがあるからである。このような遺伝子に指令を与え、
発生や細胞の分化に大きな影響を及ぼすメカニズムをエピジ
ェネティクスという。
本特集では、近年のエピジェネティクス研究によって明ら
かになってきた生命現象をわかりやすく紹介する。
【内容】
・生命現象と疾患のメカニズムを理解する鍵
―エピジェネティクス入門―/李 玉鳳、佐々木 裕之
・DNAメチル化と遺伝子発現制御のしくみを探る
/太田 亭、新川 詔夫
・生物はどのように形作られるのか
―DNAメチル化を中心とした発生と
分化のエピジェネティクス―
/村本 玄紀、塩田 邦郎
・発がんとエピジェネティクス
―新たにわかったがんの原因とその治療の可能性―
/服部 奈緒子、牛島 俊和
・染色体異数性がもたらすエピジェネティック変化
―染色体異数性と疾患― /押村 光雄
・かぐやシスターズ」の誕生からみえてきた父母ゲノムの役割
/河野 友宏
・クローン研究でわかってきた生殖細胞の謎
―エピジェネティックメモリー―
/山縣 一夫、若山 照彦
・ゲノム機能解析からみえてきた哺乳類の進化
/石野 史敏、金児―石野 知子
【巻頭言】
生命科学の進展に寄せて 特別編
異分野からの視点/益川 敏英
【総説】
性差の謎―なぜ雄と雌がいるのか?―/長谷川 眞理子
江戸の、そして平成の『養鼠玉のかけはし』/庫本 高志
景観を科学する
―風景を保全・整備するための技術―/東海林 克彦
NRBP(ナショナルバイオリソースプロジェクト)紹介
ニホンザル―脳研究を支えるリソース―/泰羅 雅登
【連載】
光る生物の応用研究最前線 第1回
―光る生物のしくみを探る/近江谷 克裕
女性研究者を支援する取組み 第2回
―東京大学のポジティブなアクション/都河 明子
日本の科学技術の進展に向けて
―文部科学省の構想― 脳科学の発展に向けて/菱山 豊
海外科学雑誌情報 Silva Scientiae ]TT
導入遺伝子を子孫動物に伝達する
トランスジェニック霊長類の初めての作出
/久原 孝俊
【インフォメーション】
Silva Scientiae(海外科学雑誌情報)
研究室訪問
ほか
発売日 9月10日
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